2015年5月31日日曜日

【サー・マーガリン・KIZUNAの邪気眼レポ】海底監獄インペルダウンからの脱出(追記)【SCRAP】

・2014/7/19, Zepp Tokyo
1号(ひでよし)2号(マッゾ博士)3号(HAM)7号(■■■■■■■■VI世)9号(ノーキン)、 15号(ワトソン)

リアル脱出ゲーム×ONE PIECE
海底監獄インペルダウンからの脱出
命がけの、脱獄
世界政府が所有する世界一の海底大監獄インペルダウン。 あなたはそのインペルダウンに投獄された海賊だ。 そこに運び込まれて来たのは、3億ベリーの賞金首、海賊モンキー・D・ルフィ。 瀕死のルフィは凄まじい目つきで息も絶え絶えに言う。 「おれは…死なねェ!! エースを助けるまでは…!!」 あなたは決意する。この男を助けようと。 先のルフィの侵入によってインペルダウンは大混乱に陥っている。 このチャンスにあなたも脱出できるかもしれない。 しかし、この世界一の牢獄にしかけられた謎は、世界一難関である。 ただ、この謎を解き明かすことが出来れば、あなたは外の世界へ出ることができる! さあ、あなたは、この脱出絶対不可能と言われた鉄壁の監獄から、 ルフィとともに見事脱獄することができるだろうか?




特別企画!(唐突)


 「海底監獄インペルダウンからの脱出」については以前にレポしましたが、最近公式にネタバレ解禁となったので、 当時の様子を詳細に振り返ってみようと思います! Dashtzersが普段どんな感じで謎解きに挑んでいるのか、その一端をご覧に入れましょう。 あの有名メソッドも登場するかも…?


公演内容はぎん様のブログで素晴らしい解説が上がっておりますので、 参加された方もされていない方もご覧になることをお勧めします。


では早速当日の様子を。
参加したのは2日目の公演でしたが、前日の初回公演で2/92という低脱出率が記録されており、戦々恐々としていました。 早めに会場入りして配布資料を読み込んだり作戦を立てたりします。原作のストーリー的にボンちゃんことMr.2ボン・クレーが脱出の上で重要な役割を果たすことを予想していた我々ですが、ここでHAM氏があることに気付きます。 資料に描かれていたマゼランのイラストと、ステージの上のマゼランの像が微妙に違う!とかなんとか言い出したのです。

「まさか、このままじゃボンちゃんが正確に変身できない…?」 

この手のHAM氏の謎発言は恒例で(でも稀に当てちゃうのがHAMさんの能力)、 ひでよしあたりが冷静に「ねーよ」と突っ込むのがDashtzers夏の風物詩。 しかし徹夜明けでテンションのおかしかったひでよし、何故か「それだ!」とノリノリ。 既に迷走が始まっており、正直、私は不安でした。


そしていよいよオープニングが始まります。 ZEPPは大画面の迫力がいいですね!これは熱い、熱すぎる!極寒地獄だけど熱すぎる! ボンちゃんが金の鷹の囚人(参加者)に向かって助けを呼びかけるシーン、鳥肌ものです。

ここで司会者から気になる言葉。 「軍艦(ステージ)に乗り込んだら、二度と降りられません」 裏を返せば、普通に行くとやり残しがあるはず、ということでしょうか。二段落ち示唆ですね!? そうなんですね!?


ということでまずは会場のヒントを集めて、小謎解き。 それなりに分量はあったと思いますがほとんど詰まるような問題はなく、 軍艦に乗り込むためのキーワード「だつごく」が出るところまで、40分弱で辿り着きました。


が当然、これで終わりな訳がありません。 ここからが本番。何かやり残したことがないか、回収していない伏線がないか、皆で考えを巡らせます。 ここで何故か冒頭の「ボンちゃん変身できないかも疑惑」に捕われたDashzters、 当然何かよい案が浮かぶ訳もなく、無駄に時間を費やしました。


こ、これは……律速……!!


大小様々な謎解きイベントに参加して来ましたが、SCRAPのラス謎の特徴(全部ではありませんが)の一つがこれです。 謎を解き進めて行くと、ある段階で「指示」がなくなり、 突然何もない荒野に放り出されたような感覚に陥ります。で?何すればいいの?という。 そういうときは、今物語の中で自分たちが置かれている状況や、それまでの過程で得た情報を組み合わせることで、 脱出するためにとるべき行動が見えてくることがあります。 単にパズルやなぞなぞの延長のような謎とは違う、この辺りの「物語と絡めた大謎」の巧妙さがSCRAPの特長で、 個人的にSCRAPの公演が圧倒的に好きな理由の一つでもあります。


ワトソン「もうなんもやることないでしょwww さっさと乗りましょうよwww」
「黙れワトソン!」
ワトソン「サーセンwww」


 そして律速を突破する鍵を握るのは大体ひでよし。徹夜明けで不調だったとはいえ、頼れるのはやはりリーダーだったのです。 

「扉に毒があるから、ボンちゃん動力室に入れないんじゃね?」 

なるほど〜。確かに動力室の扉にはマゼランの毒がべったりと張り付いていました。
「毒に触れると死ぬ」ということを司会者も強調していましたし、それはボンちゃんとて例外ではないはず。 これで思考が正しい方向に軌道修正されたことは確信しました。 「軍艦に乗り込む」というステップはクリアされているので、あとは 「ボンちゃんが動力室に入る」ところに落とし穴があったのです。

しかしどうやって毒を解除すればいいのか、今までの問題や情報を見返しても、毒に関する有力な情報はなさそう。 ここで原作でMr.3の蝋がマゼランの毒を防いでいたことを思い出した私、苦し紛れですが 「とりあえず蝋をニューカマーランドに持っていくか」 と持ちかけます。ちなみに配布資料にはそういう情報は載っていないので、十中八九、無駄だろうとは思いましたが。 というか、そもそもなんでここに蝋があるんだっけ。 と思い出したとき、思わず「あっ!」と声が出ました。


鍵がないとボンちゃん動力室に入れないじゃん!!


巧みなのは、「全ての鍵を閉めた」という伏線はすでに一度回収されており、 しかもそのときに作成した鍵も使用と同時に回収されるので、この時点で手元に鍵がないことです。 これにより最後の鍵の伏線がノイズに紛れ込むようになっている。 SCRAP、恐ろしい子…!!

迷走もありましたが、もう一度作成した鍵をニューカマーランドに持っていき……ここで「第一段階」の突破は確信。 そう、我々はまだこの時点で「二段落ち」の「一段目」をようやく突破したところにすぎないと思い込んでいました。

結構律速したようで、実はこの時点でまだ10分程時間が余っていました。 我々のうち誰一人、「もうこれで終わりじゃね?」と言い出す者はいません。 甘い希望的観測は軽々と打ち砕いてくれるのがリアル脱出ゲームなのです。


ワトソン「さすがにもうなんもやることないでしょwww さっさと乗りましょうよwww」
「黙れワトソン!」
ワトソン「サーセンwww」


結果的には有力な案も出ず、残り2分になって軍艦の入り口が混み始めたところで我々も乗り込みます。 この日は参加約100チームのうち半分ぐらいが軍艦に乗り込むところまでは到達していたので、ステージ上は大変な混雑でした。 しかし軍艦に乗船後、ひでよしが青い顔で何かを呟き始めました。

「俺ら、命かけてなくね…?」
「……ああっっっ!!」 

つまり、こういうことです。 我々は「ダチにいのちをかけて、軍艦を奪うのよ!」というボンちゃんからのメッセージを受けとっていました。 これは宝箱の鍵を開ける謎の一つだった訳ですが、はたしてこのメッセージは本当にそれだけの意味しかないのだろうか? いや、これはむしろ本当に「命をかけろ」というメッセージなのでは? 

そう、我々は自らの命をかけて、動力室の扉にあった毒を拭い去る必要があったのだ! 看守スタッフの静止を振り切り、扉の毒を破壊する。 これこそが、真に求められていた行動だったのでは!? 

「でもそれだと俺たちは助からない……」
「確かに……そんなバッドエンドでいいのか?」
「まあイワンコフがいるし」
「いや、ちょっと待て……さっき、イワンコフは軍艦に乗り込んでいなかったか?」 

囚人を軍艦に乗せるという最後の問題を見返すがよい。そこで確かに、イワンコフを始めとする囚人達は軍艦に乗り込んでいるじゃろう。 


「つまり、我々の誰かが体を張って毒を解除した後、軍艦まで連れてくればイワンコフが治療してくれる……!?」


謎は……全て解けた……!!  そして、我々は脱出失敗を確信しました。 解説が終わり、脱出成功チームとして我々のチーム番号が呼ばれたときも、我々に笑顔はありませんでした。
いつ?いつだ?どのタイミングで 「で・す・が」が来るんだ?


いや、これは我々の甘さが招いた結末。受け入れよう。心の準備はできた。いつでも来やがれ……!!


しかしなかなかその死亡宣告がなく、そのままエンディングムービーが始まり、あれよあれよと スタッフロールが流れ始めたところで、ようやく我々が脱出成功していたことを悟りました。


 「あれ、俺たち……成功してた……!(泣)」


 疑心暗鬼もここまでくると考えものっすね (^^;)


喜ぶタイミングを逸した我々でしたが、エンディングムービーの感動は忘れられません。 ボンちゃんが一人動力室に残ってマゼランと対峙するワンピース屈指の名シーンの後、 「この脱獄劇の裏に名もなき囚人達の暗躍があったことは記録に残されていない」というナレーション。 スタッフロールでワンピースのキャラ達と一緒に脱獄を図る金の鷹の囚人(私たち)が描かれていたときは 思わず泣きそうになりました。

という感じで、以前のレポでは「なんやかんやで脱出成功しました!」と書いただけでしたが、 実はこのようにてんやわんやでした。今回に限らず、我々大体いつもこんな感じでドタバタしている気がします。しょっぺえ…!!


改めて振り返ってみて、「海底監獄インペルダウンからの脱出」は名作でした。2014年に参加したイベントの中で最もお気に入りのものを一つ、と言われたらこれを挙げると思います。 単純に謎解きとしても良質でしたが、なんといっても謎・演出の両面でワンピースの物語に入った気分になれるという 「体験度」の濃さが圧倒的でした。 今回、原作のストーリーの裏側で我々が暗躍していたという設定なわけですが、 その「暗躍」を最もダイレクトに体感できたのが、ボンちゃんに鍵を渡すラス謎でした。 大謎としての面目躍如というばかりでなく、 そのプロセスを通して我々参加者とワンピースのキャラが繋がった気分になる秀逸なものです。 さらにそれを強固にするのがエンディングの演出で、見事という他ありません。 原作のメインストーリーとも完全に辻褄を合わせてきましたし、 後で原作を読み返すと「この裏側では俺たちが…」といった感慨が湧いてきます! コラボものとしては究極の物語体験と言えるのではないでしょうか。



1 件のコメント:

  1. え?そちらの公演では鍵を回収されたのですか!?
    私たちは回収されなかったのですが…

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