時は Dashtzers の時空研究所からの脱出失敗に遡る。
研究所からの脱出に失敗した我々は、時空の狭間に取り残されてしまった。
HAM「うっ、頭が…」
マッゾ「あっお尻が…」
目が覚めると、なんと我々は夜の遊園地にいた。
時空の歪みのせいで、こんな所まで飛ばされてしまったんだ。
なんとかしてここを脱出しよう!
夜の遊園地から無事に脱出したのも束の間、うだつのあがらない勇者からの脱出に失敗し、
あまりのショックから最終皇帝サー・マーガリンが姿を消してしまった。
失われ、忘れ去られた最終皇帝の力。
邪気眼。
それを手にすれば、あの公演から脱出できるかもしれない…。
―――その競馬場では、見えない馬が走るという。
全てを見通すその『眼』があれば、あるいは…。
私は再び時空研究所に向かい、今はなき彼の恩恵を授かるべくタイムマシンに乗った。
その能力を手にした後に降り立ったのは大井競馬場。
マッゾ以外のメンバーが惨敗した大井ショックからそう日は経っていない。
ちなみにマッゾは Dashtzers とは関係無い大学時代の友人達と3人で大井競馬場に来た。
良い天気、ちょっと肌寒い。絶好の競馬日和だ。
他の2人は謎解きが初めてとか二回目とかの初心者だったから、いつもはサッド博士にリードしてもらってる私も今回ばかりはリードしなければと精をいれる。
会場の広さに対し、チームの人数は3人。これは一人ずつヒント収集に行って集合した方が良いな、という事になり、Facebookを使って情報共有するが、結局集まった方が効率が良い。
一つ目の関門はあまり律速せずに突破。
中盤の関門はマッゾの気づきと初心者メンバーの閃きがうまく組み合わさって解き進むも、よく分からない指示/メッセージが出てきて、律速!
見えない馬を、見よというのか…。
いいだろう、受け継がれしこの能力を行使する時が来た!
競馬場トラックの方を向き、深呼吸をする。
スーーーーーーーーーーーーーーーーー (吸った)
・・・
・・・
ハーーーーーーーーーーーーーーーーー。 (吐いた)
息を吐きながら、軽く上体をかがめ腕をぶらんと脱力させる。
もう一度大きく息を吸うと同時に両腕を反動で前へ持っていき、そのまま円弧を描いて目の前、そして頭上へと回転させる。
上体を逸らし、視線は天を仰ぐ。
一気に背筋を緊張させ、掌は地面に着く。
そう、ブリッジだ。
この姿勢ではトラックが見えず、肝心の馬が見えない。
だが私には、サー・マーガリンV世から授かった邪気眼が股間に埋め込まれてある!!!!!
このブリッジの態勢ならば、股間に移植した邪気眼が透明な馬を捉える事ができるのだ!
これこそが、時空研究所へ再訪した私の秘策!
こっ…これが、本場の競馬場における騎乗位レースなのか…。
わたしは目(股間の邪気眼)を見開いた。
騎乗位を見るのに夢中になっていた私は、背後から忍び寄る制限時間に気付かず、目が覚めたら…
脱出に失敗していた!!!!!!
敗因は、史上最弱のサー・マーガリンV世の邪気眼を選択してしまったこと。
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