2015年2月12日木曜日

【サー・マーガリン・KIZUNAの邪気眼レポ】呪われたオーディション会場からの脱出【SCRAP】

・2015/2/1, 道玄坂ヒミツキチラボ
2号(マッゾ博士)4号(メソドロジー)7号(サー・マーガリン・KIZUNA)8号(ノーピン)

リアル脱出ゲームシリーズ
呪われたオーディション会場からの脱出
デビューか、死か。
あなたは夢見るアイドル候補生。 今日はとあるオーディションを受けにやってきた。 しかし、何か様子がおかしい。 薄暗い会場で、響く不協和音。無機質な試験官たち。 そして、ステージ上で紳士が口を開いた。 「ようこそ、呪われたオーディション会場へ。 ここから脱出できれば、君たちは無事アイドルとしてデビューできる。 ただし、脱出できなければ............死んでもらう。」 後ろを振り返ると、そこにはおびただしい数の人形が。 どうやら、脱出が出来ずにずっとここに閉じ込められてしまっているアイドル候補生だ。 デビューか、死か。 あなたの人生をかけた試験が、今はじまろうとしている。




「うひょひょ~、オーディション、オーディション♪」 

今にもスキップしそうな勢いでオーディション会場へ向かうのは言うまでもない、ノーピンである。 

「何を浮かれている、ノーピン」
 「そりゃ浮かれますよ~。だってアイドルデビューしちゃったら、可愛い子と合コンし放題じゃないですか!」
「調子に乗るなよ。この世界は甘くない。そう簡単にアイドルになれると思うな」
 「分かってますよ~、ムッフッフ?」

 (こいつ…) 

これから始まる最終審査を勝ち抜けば、本当にアイドルデビューが決まってしまうのだ。 ちなみに私はただの付き添いだ。 

そうこうしているうちに、道玄坂にあるオーディション会場に到着。 

「やけに小さいな…本当にここか?」
「いっちばん、いっちばん」 

「ヒミツキチラボ」とかいう怪しげな会場に意気揚々と乗り込んでゆくノーピン。 それに続くのは、私、マッゾ博士、メソドロジーの3人だ。 薄暗い会場に入ると、4人用のテーブル席に案内される。 周囲を見渡すと、決して広くはない会場にアイドル候補生達が所狭しと並んでいる。 確かにここが最終審査会場のようだ。 

全員が揃うと、司会の人が壇上に現れて何やら説明を始めた。 

「ようこそ、呪われたオーディション会場へ。 ここから脱出できれば、君たちは無事アイドルとしてデビューできる。 ただし、脱出できなければ............死んでもらう」 

しん…と静まり返る会場。 そんな中、ノーピンだけが相変わらずの様子。 

「うっひょー、早速のドッキリ!芸能人っぽくないっすか!芸能人っぽくないっすか!」 

グサッ。 司会者の手から一本のナイフが放たれ、ノーピンの頬をかすめて後ろの壁に突き刺さる。 したたり落ちる鮮血。 まぎれもない、本物のナイフだ。 さすがのノーピンも青ざめた表情を浮かべる。その様子を見て周囲から悲鳴が上がる。

大混乱に陥る会場。いつの間にか司会者は姿を消しており、会場の入り口も完全にロックされてしまったようだ。 机には暗号のようなものが置かれている。

「どうやら、やるしかないようだな」
「……要は、なればいいんでしょ。アイドルに」

浮かれきっていたノーピンの瞳にギラついた輝きが戻ってきた。

デビューか、死か。

何故こんな事態になったのか訳が分からない。分からないがとにかく、人生を賭けた試験が今始まろうとしていた。




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 最近はラボや全国のアジトなどで昔の公演の再演がよく行われているようですが、 今回の「呪われたオーディション会場からの脱出」も、もともと2013年6-7月にヒミツキチで開催されていた公演の再演。 Dashtzers結成のちょっと前なので未参加でしたが、 ラボで再演があるということで喜び勇んで参加してきました!

もともとは6人のチーム戦だったようですが、最近の参加者のレベルを考慮してか、今回の再演では4人チームに変更されました。 確かに東京では、「人狼村からの脱出」や「眠れる森からの脱出」の再演で成功率40-50%という驚異の数字が 叩き出されており、一昔前とは参加者の平均レベルが段違いになっていることが窺えます。 ヒミツキチの公演では、謎解き初めての人がどれぐらいいるのかを司会者が確認するのが恒例になっていますが、 自分らがリアル脱出ゲームに行き始めた2013年終盤頃と比べても、明らかに初心者の割合が減ってきていると思います。 今回の「呪われたオーディション会場からの脱出」再演でも、参加者約40人のうち、初心者は1人だけでした。


まあ6人だろうが4人だろうが、我々は与えられた環境でベストを尽くすのみ! Dashtzersから選抜されたアイドル候補生は 2号(マッゾ博士)4号(メソドロジー)7号(サー・マーガリン・KIZUNA)8号(ノーピン)の4人。 マッゾ、メソ、サーの3人は常連組ですが、一方のノーピン先生は本当に久し振りの脱出ゲームです。

「いや~、今日はノーピンさんがいるから楽勝でしょ」
「何言ってんすかww 僕久々っすよww しっかりしてくださいよww」
「よろしくお願いしマッゾ!」
「いや、だから困りますってww」
「ノーピン先生がいないと自明に何も出来ないんですよ~」 
「え~、もうしょうがないなあww じゃあ任せてくださいよww」


 これが我々の力関係。


オープニングはホラー要素がありますが、ゲーム中はそういう仕掛けはなく純粋に謎解きに集中できます。 4人ということでいつもより忙しい感じの序盤ですが、 全体的な物量からすれば4人への変更は妥当なところだったかもしれません。 久し振りのノーピン先生も相変わらずキレキレで、リーダー不在の中、早々とラストまで到着。


「うひょひょ~、アイドルになっちゃうかも?」
「油断するな、8号」


 そう、SCRAPの真価はなんといってもラストに用意した大謎。 かなり余裕を持っていたはずが、最後で大恐慌! しかし数々の修羅場をくぐり抜けて来た我々Dashtzers、危機に陥りながらも冷静さは失わず。


「アイドルに!!! おれはなるっ!!!」


 (ノーピンの)アイドルへの執着を支えるのは下心と仲間の絆。 その思いが、辛くも我々を脱出成功へと導きました! うっひょ~~~い!!


多少古い公演とはいえ(よく考えたら実はそんなに古くない)、さすがSCRAPと言わざるを得ません。 全体的には典型的なヒミツキチ型の謎解きで、問題数や難易度もそれほどではありませんが、 ある一つの理由により、ひと際異彩を放つ特徴的な公演となっています。 そのお陰で評価が分かれるところかもしれませんが、個人的にはこれが大ヒットでした! ここ最近のSCRAPの新作ヒミツキチ型の公演(あるオークション会場、忘れられた実験室、オリエント急行、宇宙怪獣等)はどれも非常にクオリティが高く、それらに比べると全体的な完成度という点でやや見劣りがするかもしれませんが、 それを覆す程の一点突破的な魅力のある公演だと感じました。 古いからといって(しつこいようですが、よく考えたら実はそんなに古くない)侮るなかれ。再演してもらってよかった!


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