【 メソドロジーのメソッドを切る!】第一弾
旅立ちのメソドロジー
〜赤き砂漠よ!美しく〜
この物語は、4号ことメソドロジーの生い立ちから旅立ちまでを綴ったノンフィクションドキュメンタリーである。(ウソである)
メソドロジーはとある謎解きの家に生まれました。
多くの解法に囲まれ、豊かな生活を送っていました。
ある時彼は木の下で休んでいました。
目の前で農夫が小問を解ききり、小問からキーワードを読み取りました。
するとキーワードから新たな大問が現れました。
ところがその農夫は、その大問をどのように解いたらいいのか方針すら立たず、
日が暮れるまで沈黙してしまいました。
若きメソドロジーは律速というものがあまりにもあっけなく訪れるもの
であることを思い知り愕然とします。
この幸福な生活の陰に、律速の恐怖が、常に隠されているのだと感じました。
ある時に彼が町の東門から出た時、「たぬきの宝箱の中身」が分からず
苦悶の表情を浮かべた老人に会いました。南門から出た時には、「けそうの先」
が解けず苦しむ男に出会い、西門から出た時には、脱出に失敗し、
途方に暮れる女に出会いました。
どうすることも出来ない謎に、人は律速し、苦しむ。
この苦しみはから逃れることはできないのか。
日々律速の恐怖を感じながら、メソドロジーの心は荒んでいきます。
ある日、北門から出た時に、穏やかな表情を浮かべた不思議な男に
出会いました。律速あふれるこの世界で、清ました顔を浮かべている
この男をみていると、無性に腹が立ってきました。
思わず、「たぬきの宝箱の中身は??」と問いかけました。
心が荒みきっていたメソドロジーは、この難問に苦悩する男が
見たくなったのです。
しかし、男の反応は、メソドロジーの期待を裏切りました。
男は穏やかな表情を変えずに、
「ははっ自明ですねえ。暗号に対する文字消しメソッドじゃないですか。
たぬきだから、「た」を抜くだけですよねえ。」
そう言うと、右手を振り上げ、天を指差しました。
何をやっているんだこの男は、、。空を指差して気でも触れたのか?
空、、、から、、、はっ!!!
このとき、メソドロジーは雷に打たれる思いがしました。
「たぬきだから、[た]を抜いて宝箱を読めばいいのか!つまり、空だ!!」
太陽を背に立ち天を指差す男から、
あたかも後光が射しているようかのような神々しさを感じました。
メソドロジーは、すぐさま自身の非礼を詫び、男に教えを請いました。
男はその申し出を快く受け入れ、謎解きとは何かについてゆっくりとした
口調で話し始めました。
謎は単独では成立し得ません。
ある規則の前提があって初めて謎として存在し得るのです。
例えば、「たぬき」は、「抜き」という日本語の意味(規則)を
前提に作られています。英語ではこの問題は成立しません。
では、謎の前提となる規則は、どこにあるのでしょう。
日本語、アルファベットの順番、干支の並び等、どの謎も誰もが
知っている筈の規則を前提に作られています。
自らが持っている規則を以て謎を明らかにする営みこそ謎解きなのです。
即ち、全ての謎は「自明」なのです。
「すべての謎は…自明!」
メソドロジーは、目が覚める思いがしました。
しかし、では、なぜ人々は律速に苦しむのか。彼は戸惑いました。
そして、男に聞きました、律速とは一体何であるのかを。
男は答えます。
律速とは、謎の背後にある規則が特定できない状態を指します。
「律速は、どうすることも出来ないのでしょうか?」
男は穏やかな表情のまま淡々と答えます。
全ての謎は、解かれる為に存在しています。
謎自らが持つ傾向から、背後の規則が明らかになる筈です。
謎の傾向の分析法や、よく使われる背後の規則の蓄積をメソッドと言います。
メソッドの活用によって謎の自明性が浮き彫りになるのです。
私は、メソッドの力によって律速を克服してきました。
「では、メソッドを極めた先には、律速のない世界が待っているのですか?」
そう聞くと、男は満面の笑みで「自明ですねえ」と言い残し、
去っていきました。
男の話を聞き、メソドロジーの律速に怯えていた心は晴れ上がりました。
彼は、ある決心をします。
「メソッドを極める旅に出よう。全ての律速を包含するメソッドを
確立するまで二度と故郷の地は踏むまい!」
この日、メソドロジーはメソッ道を極めるべく旅立っていきました。
いつしか、「自明ですねえ」が彼の口癖になっていました。
…この後、メソドロジーは旅の途中でDashtzersと出会うことになりますが、
それはまた別のお話。
0 件のコメント:
コメントを投稿