2014年1月31日金曜日

【マッゾ博士の秘密の回顧録】魔像少女まぞか☆マヂカ

アジトオブスクラップ 渋谷ナゾビル 第2弾公演
魔法の部屋からの脱出
その部屋では、本当の魔法が起こる
あなたは目隠しをされ、ある部屋に通される。中に入って目隠しを外すと、そこは異様な部屋だった。常軌を逸した暗号と、使い方のわからない不思議な アイテムの数々。そして、驚くべきことに、脱出するための扉がその部屋にはないのだ。どうやらこの部屋は、魔法でも存在しない限り脱出は出来ないようだ。 そうだ。魔法を使おう。 いままであなたが夢見てきたあの不思議な力を。 この部屋から脱出できた時、あなたは本当の魔法を体験する。

想像してみて欲しい。
10人の目隠しをした大人達が列になって歩いていく。
みんな笑みを浮かべて自発的に。
これほど気持ち悪い光景は無いかもしれない。

「脱出・・・したのか・・・?」
どうやら扉の無い部屋の番人の気まぐれで、部屋から追い出された形になった。
「分からないッ!どうやって!?」
論理に強いひでよし、それにメソドロジーたちで我々がどうやって脱出したかについて議論をしている。完全に意表を突かれた我々は、どうやって脱出したかさえも理解できなかったのだ。
「・・・これが、魔法の力・・・!?!?」

脱出への欲動リビドーは果てしないものだ。
われわれ Dashtzers は魔法とは縁の無い生活を過ごしていたが、
底なしの脱出への欲動が魔の世界へと我々を誘ったのだった。

君たちは魔法というものを信じるかい?
全ての現象は物理法則に従い、機械的に宇宙の時を刻むだけだというかもしれない。
神秘的な二重螺旋の奏でる生命の奇跡もまた、分子や原子、そして素粒子の集合に過ぎないのだと。
だが、しかし。悠久の歴史の中で、いくつもの文明が生まれては消え、その至る所で魔法という概念が伝承されてきているのだ。
現代の科学にも説明できない真実が存在する可能性を、君は頭ごなしに否定するのかい?
奇跡も、魔法も、あるんだよ。

魔法に関する都市伝説なら、君も聞いたことがあるだろう。
―――30歳を過ぎた男性で、ある条件を満たした者は魔法使いになることができる。
しかし、本当に魔法使いになった知人はいないし、魔法使いになれる確率は低いのかもしれない。
この都市伝説だけでは信憑性が足りないと言ってよかろう。

中世のヨーロッパでは魔女狩り(まぞがり)が行われていたという。
Dashtzers が閉じ込められた人狼村の古い屋敷で、われわれは魔女裁判(まぞさいばん)の痕跡をみつけた。すぐ近くで謎めかしいメモを拾った。
「…何々?白魔術黒魔術を打ち破る。…どういう意味だ?」
とにかく、現代にも魔女(まぞ、以下同様)がいるのかもしれない。
HAMは魔女という強迫観念にとりつかれてしまった。
メソドロジーは魔女の魔の手から脱出するメソッドの開発しかしなくなってしまった。
■■■■■■■■は魔法少女もののラノベを読み漁る始末である。
これではいけない!魔女と向き合い、きっちりと脱出しなければ我々は前に進めない!

魔女が潜んでいるというタレコミを聞き、
我々10人は魔女の「アジト」に潜入捜査を試みた。渋谷にある謎めかしい建物だ。
「なんだ、魔女なんてどこにもいないじゃないか・・・。」
マジギレッチはわざわざ渋谷に何しに来たんだと苛立っている。
イライラしたマジギレッチを見るのが好きなはニヤニヤしている。

「僕と契約して、魔像少女になってよ。」
怪しい響きへの戸惑いを隠しつつ、潜入調査の為に我々は入館料を払おうとした。
「その必要は無いわ。」
ファミマで予め入館料は払っていたのを忘れていた。
入館許可証を提示し、中に通してもらう。
受付のお姉さん達の冷徹な視線にマッゾ博士が我慢できないでいると
「どういうことだおい!こいつ感じてるじゃねぇか!」
Dashtzers の不審なオーラがばれてしまった。
「あなたたち、ただで返すわけにはいかないわね。」
どうやら、この人達、見た目は普通だけど魔女と見習いの魔像少女だったようだ。
我々は魔女によってなされた有りえない光景に目を疑った。
「・・・これは・・・ま、魔法!?」
「ちょっと違うわね。影の世界の存在を刹那 呼び起こす”魔像”といったところかしら。」
「・・・ま、魔像・・・だと・・・!? いけない、脱出するぞ!」
「もう遅いわ。既にあなた達は魔像化間近よ!」
我々は魔法にかかったように自分で自分に目隠しをし始めた。
これが「魔像化」の力・・・。
10人は目隠しをしたまま恐る恐る、それでいて好奇心に胸躍らせながら扉の無い部屋へと歩み始めた。円環の理に導かれて。

魔女という名前から、防御力が高く攻撃力の低いタイプだと想像していたが、
やつの本性は魔女王―――つまり、女王様タイプだったのだ!!
「魔像化が完全に進行すれば、受け身の快楽に溺れるでくのぼうになってしまうのよ!」
マッゾ博士はこの感覚に覚えがあったが、それが脱出の助けになるわけではない。
他の皆も、苦しさと悔しさの狭間に見え隠れする心地よさと胸の高鳴りに溺れ始めている。
ひでよしまで魔女っ子萌えしているではないか。
Dashtzers のメンバーはその素質があると思っていたが、こんな形でそれが証明されてしまうとは!
はっ!マジギレッチマゾギレッチになってるぞ!
まー様まぞー様になってしまったぁぁぁっ!
おい、マゾドロジーマゾガリン!しっかりしろ! ノーキンも魔像化絶好調だぁ。
C3POは元から魔像みたいだ。

「あなたたちは魔像化の呪いをかけられ、この扉の無い部屋に閉じ込められました。
 魔像化を解きたければ、この部屋の全ての謎を解き、この部屋から脱出してみなさい!」
魔女王様にそんな事を言ってもらえるなんて至上の喜び!
「最後に、脱出に必要なヒントを言うわ。白はメソッド、黒はスタチュー。解けるものなら解いてみなさい!」

当時の我々にとって、アジトは未知の領域だった。
未知の領域を前にした時、人は恐怖する。
我々は恐怖を払拭しようともがきつつ、そして魔像化に抗いながら、探索を開始した。
前半の探索で多くのヒントを得た我々は、手探りで謎を解き明かしていく。
中盤に差し掛かった所で突然それは襲い掛かった。
律速だ。
律速段階。それは化学反応の段階において最も長く時間のかかる段階のことであり、他の段階がいくら速くても、律速段階が全体の反応速度を決めてしまう。
転じて、ある謎で詰まってしまい、どうにもこうにも解けなくて立ち往生してしまうことを言う(用語集参照)。
新しいアイディアが必要だ!ノーピンにコンタクトは取れないのか!?駄目だ、電波が繋がらない!
はじめの探索は念入りに調べたが、皆が皆好き勝手に探索したのでシステマティックな探索にはなっていなかった。ヒントが足りないのか、アイディアが足りないのか???
こんなの絶対おかしいよ。
一度落ち着こう。
可能性を見極めるんだ。これが使えるのではないか?
なんとかこの場を切り抜け、残り時間も大雑把に言って10分程度という所で最大の関門に辿り着いた。

やはり、それはここでも訪れた。
律速だ。
無情であり非情である。不可逆的に流れゆく時の中で取り残される焦燥。
この逆説的に生を抉り出す修羅場の中ではマッゾ博士も官能的だなどとは言っていられない。
情報を整理しよう!
確かヒントは、白はメソッド、黒はスタチュー。
メソッドって言ったら謎解きのメソッド、いや、方法、法、魔法のことか!
じゃあスタチューは像、魔像のことだ!
白魔術魔法の別称で、黒魔術魔像の別称だったんだ!
じゃあ、都市伝説に従って魔法使いになれば、魔像使い魔女王を倒せるに違いない!
幸運なことに、Dashtzers のメンバーは殆ど「ある条件」を満たす(マッゾ調べ)。
今こそ、魔法を使って脱出しよう!!!!!!!!!!!

そう思った矢先に、60分を知らせる鐘が鳴り響いた。
我々はあの瞬間、魔像化したはずだった。
そうだとしたら、私が今こうやってブログを更新することも永久にできなかっただろう。
扉の内側の意志を今となっては知る術は無い。

わけがわからないよ。

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